今回はゲーム『夜刀姫斬鬼行(やとひめざんきこう)』のオリジナルサウンドトラックをご紹介します。

価格:2800円

発売元:アリアエンターテインメント
 
〈クレジット〉
Tr.01「KAMUY
歌:木蓮 作詞・作曲:上松範康 編曲:藤田淳平

Tr.15「刃 -YAIBA-
歌:木蓮、佐藤ひろ美
作詞・作編曲:上松範康

Tr.31「運命(さだめ)の旋律(メロディー)instrumental version」
作編曲:藤田淳平(※作詞:上松範康 歌:佐藤裕美&KOTOKO)

BGM制作:藤田淳平

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 今回はテリオスさんより2005年12月に発売されたゲーム『夜刀姫斬鬼行』のOSTをご紹介しています。

 テリオスさんといえば
  『テリ☆みっくす』(2003年、OP「モキュモキュ~テリ☆ミックス~」)
  『夏色☆こみゅにけ~しょん♪』(2003年、OP「my first summer」ED「夏の終わりに」)
  『まじかるカナンRISEA』(2005年、OP「Milktea kiss」ED「ときのゆりかご」)
  『Chanter~キミの歌がとどいたら~』(2006年、ED「Harmony~僕の歌がとどいたなら~」)
  『はっぴぃプリンセス』(2007年、BGM)
  『春色☆こみゅにけ~しょん♪』(2008年、OP「MY HONEY SPRING」)

 などの作品でもElements Garden(あるいはfeel)が楽曲を提供してますから、ご存知の方も多いでしょうね。ていうか最初の大野まりなさんの曲を除いて、全部佐藤ひろ美さんが歌ってるのめっちゃスゴくないですか。

 CDはゲーム発売の2か月後にアリアエンターテインメントより発売され、OPと全BGM、および挿入歌のinst.が収録してあります(※ED「World meets world」(歌・作詞:SHIHO 作編曲:C.G mix(I've))は未収録)。アリアエンターテインメントからCDが発売されたのは、佐藤ひろ美さんの4seasonsシリーズとこれくらいだったと思うので、そういう意味でも割と珍しい1枚です。


 各楽曲紹介の前に挿入歌である「運命の旋律」について。
 以前はテリオスのサイトからダウンロード可能でしたが、サイトが閉鎖されてしまったので、現在聴くのはかなり困難となっています。歌入ってるバージョンないの……。と思うのですが、おそらくCDも存在してないのではないかと思われます。
 ヴァイオリンと二胡ですかね、東洋風な弦の音色に聴き入ってしまうinst版が収録されていますが、歌のバージョンも聴きたかった……!コンピアルバム企画が復活するなら入れてほしい曲の1つですね~。


 さて「KAMUY」はElements Gardenのコンピレーションアルバム第1弾にも収録されているので聴きなじんでる方も多いかもしれません。上松さんの独自の詞が、民族調の不思議な曲調や木蓮さんの歌声と相俟って、1曲目からめちゃめちゃ異空間が広がっています。
 コンピアルバム発売時のインタビューに詳しいエピソードの掲載があるので、詳しくはそちらをご覧ください。一応、関連部分は引用しておきます。

 第3回 Elements Gardenコンピアルバム発売記念リレーインタビュー 第3弾は藤田淳平氏に密着!(アキバOS)
 「KAMUY
(歌:木蓮 / 作詞・作曲:上松範康 / 編曲:藤田淳平)  
「上松がメロディと歌詞を担当して、その他のほぼ全ての楽器を僕が担当しました。しかし、最初出来上がったときは、大NGが出てしまったんですよ。
 特徴的な色付けみたいなのをせず、普通のドラムやベースを使ってまとめ上げてしまったんです。そうしたら、『もうちょっと楽器にこだわりを見せていこう』という事で、バイオリンや、民族楽器のバンドネオン、笛等を使ったんです。そうしたら、普通じゃあまり聞かないテイストに仕上がったので、この曲は凄く気に入ってます。
 こういう民族系の色が強い楽曲は、上松が詩を書いて、曲も書いて、編曲もするのがいつものパターンだったんですが、この時は、意外なアプローチを期待していたのではないかと思います。その事もあってか、民族楽器と木蓮さんのコーラスの部分が普通の楽曲ではあまり無い感じとなって、凄くエレガの色が出ているかなと思ってます」


 「刃-YAIBA-」は厳かな印象の楽曲で、ピアノ、ヴァイオリンだけでなく、ベルが空間を浄めるように鳴り渡り、パキッとした気持ちになります。歌モノというよりはコーラス入りのBGMなのですが、一応歌のクレジットがあったので歌モノにカウントしてみました。


 BGMは藤田淳平さんが全曲担当されています。
 様々なタイプの曲が収録されており、「神事」「寂宵」などの神聖で厳かな楽曲から「平穏」「寸劇」といった日常感のある明るい楽曲まで、幅広い音楽を楽しむことができます。

 『夜刀姫斬鬼行』はR18の美少女ゲームでありながら、緊張感のある戦闘シーンが見所なので「対峙」「剣戟」などの迫力あるバトル系サウンドもカッコ良くて好きな人にはたまらないと思います!

 後半は、「幕間」の少し和なサウンドを挟んで、ピアノのクールな「月光」、オリエンタルな楽曲と思いきや意外に都会的な「夜更」が続きます。
 全体的にビヨンビヨンした音(伝われ)の入った曲が多い気がするのは作品のイメージなんでしょうか、はたまた気のせいでしょうか。また、アンビエントと民族調がミックスされたような曲が多く、作品の雰囲気に反して、存外和風なBGMがないのが非常に面白いですよね。

 後半のオススメBGMですが、シンプルにピアノ(2台)とシンセとヴァイオリンによる「悲愴」なんか、かなり好きです。「大敗」「窮地」のドラムもめっちゃ良いです。「疾駆」も刻まれるビートやベースの音が印象的です。最後の「終幕」はメインのフレーズのコードがカノン進行になっていて、卒業式みたいでグッときます。マジです。

 各楽曲タイトルは御覧の通り、漢字2文字からなります。楽曲から受ける印象もタイトル通りなので、名は体を表す的な楽曲揃いであるかと。

【収録楽曲一覧】
01. KAMUY
02. 伝承
03. 神事
04. 平穏
05. 陽光
06. 明宵
07. 刀輝
08. 桜華
09. 寸劇
10. 寂宵
11. 対峙
12. 剣戟
13. 覚醒
14. 大敗
15. 刃 -YAIBA-
16. 幕間
17. 月光
18. 夜更
19. 真理
20. 愛情
21. 悲愴
22. 告白
23. 寂寞
24. 巫社
25. 蹂躙
26. 厄災
27. 窮地
28. 疾駆
29. 終幕
30. 神威(KAMUY instrumental vesion)
31. 運命の旋律(さだめのメロディー) instrumenral version